12条する・・・選挙に行って野党を勝たせよう
友人から「12条する」という文面のメールをいただいた。
みなさん
おはようございます。
選挙まで2週間を切りました。
イギリスではEU離脱に投票した人たちの後悔がおきているようですね。
離脱派の掲げた公約がうそだったとか。可能性があると言っただけだとか、そんなことを言ってないと言ってる政治家もいるようです。
まるで安倍政権、そっくりじゃないですか。
関ヶ原の東軍のように、勝つためには政治家はウソもつくことを知ってないととんでもないことになります。
憲法改正のこともよく知らずに、「緊急事態条項もいるよね」などと思って、安倍政権を支持していたらイギリスのようなことになりかねません。
件名の「12条する」とは、映画「不思議なクニの憲法」の監督松井久子氏が上映会でお話されたそうで、上映会で聞いてきた方が教えてくれました。
どういう意味かは、ブログを読んでください。
「12条するとは 不思議なクニの憲法の監督松井久子氏のお話」
http://blogs.yahoo.co.jp/mknony0623/21000095.html
日本国憲法12条 「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。また国民はこれを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う」
私はこの「不断の努力によって」というのは具体的にどういうことなのか、とこの条文を読むたびに疑問に思っていました。
目からうろこのお話です。
ブログを読んでもらったら、フェイスブック、ツイッターでの拡散もお願いします。
私たちは戦後、ずっと日本国憲法があるから国民の自由、権利が守られてきたし、日本国憲法があって当たり前の社会で生きてきたので、
確かに不断の努力を怠ってたから、こんな時代が来た。
今、権力に負けそうになっているのも不断の努力を怠ってきたからで、
今こそ、12条して、自由、権利を奪われるのを阻止しましょう。
そこで、返信として以下をお返しした。
弁護士で伊藤塾塾長の伊藤真さんが、「日本国憲法で大事なものを1つあげよ。」と言われて答えられなかった。3つなら「基本的人権の尊重」、「主権在民」、「平和主義」の3つをすぐに答えられた。しかし、一つといわれて困ったと朝日新聞紙上でで語っておられました。その回答こそは13条の「個人の尊重」だと語っておられました。
私はこの12条も別な意味で大事な規定だと思います。
国民の3大義務、教育、納税、勤労とよく言われますが、「一つだけ大事な義務を揚げよ。」と問われれば、みなさんは何を揚げますか?
先日、「日本国憲法 大阪おばちゃん語訳」の読書会で権利と義務について話し合いました。
教育の義務といっても、これは子どもの教育を受ける権利を第2項にあるとおり、国と保護者に求めたもので、特に国の義務が大きいこと。にもかかわらず、1979年まで紹介のある児童の教育を保障してこなかった国の義務違反は許しようがありません。
納税の義務も、能力に応じて負担する義務であって、高額所得者や大企業がまず一番に果たさなければならない義務であり、大企業の366兆円の内部留保は許されない納税義務違反、応能負担でない消費税の設定も能力に応じた納税についての国家的な違反ということになります。勤労の義務も、私たちのまわりには働きたくても働けない人がたくさん。広義に考えると、職権を乱用しテフ利益変更された生活保護の引き下げも、課税最低限の引き下げに通じることから大きな国の義務違反の施策の後退です。
さらには、株や不動産、投機の莫大な収入で働かない人がいる。貴族制度が廃止されているのにこうした人たちがいるのを許さない規定であり、働きたいという方がいれば、障がいがあったとしても、その方の能力に合った職場と報酬を保障する国の義務に通じます。
このように見てくると、国民の従来の3大義務規定は少しおかしい。
12条の「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」を、「97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」と会わせ読むとき、この12条、97条に規定された「幾多の試練」の中でも「不断の努力によって」基本的人権を守らなければなっらない。これが国民の一番大事な義務だと思うのです。
若い頃、少なくともこのように習ったような記憶があります。
「
自民党の新憲法案では、前段で、「保持しなければ」が「保持されなければ」に変わり、後段に「国民は・・・・自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。」となることからもこの条文の重要性がわかります。
ところで、この本は読まれましたか?
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%82%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%84%E6%86%B2%E6%B3%95%E8%8D%89%E6%A1%88%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%97-%E8%87%AA%E6%B0%91%E5%85%9A%E3%81%AE%E6%86%B2%E6%B3%95%E6%94%B9%E6%AD%A3%E8%8D%89%E6%A1%88%E3%82%92%E7%88%86%E7%99%BA%E7%9A%84%E3%81%AB%E3%81%B2%E3%82%8D%E3%82%81%E3%82%8B%E6%9C%89%E5%BF%97%E9%80%A3%E5%90%88/dp/4811807936
文部省発行の「新しい憲法の話」をパロディ化したもので、大変興味深い本です。梅田の紀伊国屋で見つけてその日の晩に読みました。すると、明くる日の朝日新聞に紹介されていたという次第です。
是非みなさんに読んでいただきたい本です。
こうしてみてくると、「改憲」は「改憲」ではなく新しい憲法を作るという話になります。戦前に戻すのではなく、遙か13世紀1215年のマグナカルタ、フランスのフィリップ2世との闘いに敗れ、処刑や退位をを逃れるために貴族に約束した以前まで歴史を戻すと言っていいかもしれません。
そして、憲法遵守義務から「天皇」がはずされ、「国民」が入る。
憲法論議をするとき、権利義務関係を押さえることが非常に重要だとみんなでわかった次第です。
勝っても負けても試練は続きます。勝ったとしても、与党は3年後の衆議院選挙まで団結を維持しなければなりませんし、その、衆議院選挙で勝利したとしても、とてつもない借金財政、国際情勢の下に政治を行っていかなければなりません。
ここまで後退した社会福祉を充実させて行くには並大抵の努力が必要です。待ちきれない人たちが全国に大勢いるからです。しかし、71年前私たちはその状態から立ち直った経験を持っています。「戦争放棄」の一大決心をもう一度すれば、自分たち、工場で、農場で、お店で、事務所で働く人たちがさらに団結を続ければ、日本の立て直しは十分に可能です。その決意、国民全体の決意こそが今度の参議院選挙で問われているのだと思います。
野党共闘に勝利あれ!!