原発避難者支援が打ち切られる!馬鹿にするな!!責任を全うせよ!

 こんな要請文案が送られてきた。国、府、市当てに出す要請文だ。
住居の確保は生存権の中でも基本となるもの。

※アンダーラインを引いた部分が、国あての要望書と違うところです。提出時にはアンダーラインと表題の「(案)」の文字は消します。

2017(平成29)年3月  日
大阪府知事 松井 一郎 様

                居住と“非 差別”を守る会
                会長 家 正治 
                (神戸市外国語大学/姫路獨協大学名誉教授)
役員
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事務局 ○○ ○○

原発事故避難者に対する住宅無償支援打ち切りに関する要望書(案)

 政府と福島県は、福島第一原発事故で被災した避難者のうち避難指示区域外からの避難者(以下「自主避難者」)約1万2000名に対し、2017年3月末をもって住宅の無償提供を打ち切ることを発表し、これを受けて大阪府は「自主避難者」への住宅支援を打ち切ることとした。
 今回の住宅無償提供の打ち切りは、避難指示区域の解除−帰還政策と連動したものであり、県外避難者の帰還を促す意図をもって行われているものである(読売新聞 2017年1月4日付)。現在、帰還政策が急ピッチで進められており、政府は「東京五輪開催を控え、避難指示区域を解除し賠償も終わらせようとしている。」(東京新聞2016年10月31日付)しかし、原発事故は収束しておらず、避難地区が解除された地区の住民の帰還率は、わずか13%にとどまっている(共同通信2017年01月28日付)。 
 「自主避難者」は自ら好んで避難したわけではない。福島第一原発事故によって、基準値(ICRP、国によって定められた年間被曝線量の限度1mSv)をはるかに超える放射能が降り注ぐ中、命と健康の危険から家族と我が身を守るために、無念を残し断腸の思いで住み慣れた家を離れふるさとをあとにしたのである。
 今日、「自主避難者」に対する政府の保障は皆無であり、住宅の無償提供が唯一の保障と言っても過言ではない。「自主避難者」にとって、住宅の無償提供は、生活再建の基盤をなす「住まい」の確保であり、「命綱」である。住宅の無償提供を打ち切ることは、つまるところ避難者が「避難」を断念させることを促すものである。

1. 避難者の生活再建の見通しがつくまでの間、住宅の無償提供を続けて下さい

 避難者が、その意思に反し、実質的に帰還または再移住を強制されることは、憲法および子ども被災者支援法に違反しており許されない。
 本来、帰還するかしないかは、子ども被災者支援法第2条に明記されているとおり、各人が自由に選択して判断すべきものであり、自治体から強要されるものではない。大阪府が行おうとしている住宅無償提供の打ち切りは、この法の理念に悖り、憲法13条で保障された自己決定権を侵害するものである。
 それはまた、1979年に日本が批准した「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際条約」(以下、「社会権規約」)、国連「国内強制移動に関する指導原則」(以下、「指導原則」)にも背くものである。
 「社会権規約」11条は、すべての人に「居住の権利」を保障している。1991年、国連の社会権規約委員会は、この条文の解釈指針および国連の審査基準を示した「一般的意見4」を公表した。「一般的意見4」は、居住の権利があらゆる人権の核をなすものであるという認識を明らかにし、居住の権利を定義して「安全、平穏に、人間としての尊厳を持って生きる場所を持つ権利」(文中、傍点は当会による)と明記した。
 「安全」であるためには、原発事故が収束せず、基準値を超える放射能によって汚染され続けている危険なところに住居があってはならず、そこに帰還させることは許されない。もとより住民には原発のような「汚染源を住居の近くにつくられない権利」があったのであるが、それが犯され、その上に事故が起こってしまった現時点においては「避難場所を求める権利」が存在する。国および大阪府には人々を安全な場所に「適切な住居の権利」を保障する義務があるのだから「避難させる義務」がある。
 「指導原則」は、1998年に国連人権委員会に提出されたもので、これ自体に法的拘束力は存在しないが、今日、世界基準として国際社会から認識されている。
 「指導原則」序2には「国内難民とは、…自然もしくは人為的災害の影響の結果として、またはこれらの影響を避けるため、自らの住居もしくは常居所地から逃れ若しくは離れることを強いられまたは余儀なくされた者」(文中、傍点は当会による)と書かれており、福島第一原発事故による放射能災害の影響を避けるために避難したすべての人々は、「指導原則」の適用対象となる。
 「指導原則」には、原則7,3(c)で「強制移動が武力紛争および災害の緊急段階の間以外の状況において行われる場合には、次の保障が満たされるものとする。」として「強制移動の対象者の自由なかつ情報を与えられた上での同意が求められること」とある。
 原則14では、「すべての国内難民は、移動の自由および居住選択の自由に対する権利を有する」とあり、原則15では、国内難民は、国内のほかの場所に安全を求める権利を有することが明記されている。
 住宅無償提供を打ち切ることによって帰還、移住を実質的に強制することは、社会権規約11条および「一般的意見4」および「指導原則」に背くものである。
 当会は大阪府に対して、2017年3月末をもってする「自主避難者」への住宅無償支援打ち切りを撤回し、「自主避難者」が自らの意思による自由な選択として、地元への帰還するか避難先での移住を判断できる環境を整え、避難者が生活再建の途につくまでの間、住宅の無償支援を続けてることを要望する。
 
2.「自主避難者」への強制退去を行わないで下さい

 住宅無償提供の打ち切りを目前に控えた今日、避難者の中には、行き場を失い途方に暮れている人々がいることも事実である。大阪府が、こうした避難者に対して明け渡し提訴−強制退去を行うようなことがあれば、それは、憲法25条で保障した生存権を侵害するものであり、社会権規約およ「一般的意見7」に反する。
 「一般的意見7」は、1997年社会権規約委員会によって公表されたもので、居住の権利に関するもののうち、強制立ち退きに特化して、国連審査の基準および条約解釈の指針を明らかにしたものである。
 「一般的意見第7」第9項には「国家は自ら強制立ち退きを控え…なければならない。」と明記している。第12項では「影響を受けた人に対してすべての法的請求及び救済が利用できることを確保することは、関係当局の義務である」と、強制退去を受けた人々への救済措置を義務づけ、第16項で「影響を受ける人との真正な協議」をしなければならないと述べている。国連社会権規約委員会は、居住の権利を侵す最も大きなものの一つとして強制退去を位置づけてそれを認めず、これを実現するために様々な手立てを講じ、締約国政府に義務づけている。(締約国政府とは地方自治体も含まれる)
 当会は大阪府に対して、「自主避難者」」への強制退去を行わないよう強く要望する。
 
3. 原発事故避難者の実態に対応した条例・規則の改正および制定してください

 福島原発事故による避難者は、政府が把握しているだけでも9万人を超え、(東京新聞 2015年6月12日付)こうした原発事故で避難した人々に対して、現在国および大阪府は災害救助法に基づき、仮設住宅の供与等の支援を行っている。しかし、地震など自然災害を主とした災害救助法を、それとはまったく種類の異なる原発事故・放射能災害という事象に当てはめることは不合理である。
 地震津波などの自然災害の場合は、復旧復興にむけての立案をすることが可能であり、一定の年数が必要とはいえ、避難者はいつ帰還することができるかを把握することが可能であり、そこにむけ希望をもって生活の再建にむかうことができる。しかし、原発事故は、事故の収束を見すえることができず、現実には復旧復興の立案を立てることが不可能である。放射能の影響も、セシウム137やストロンチウム90などは半減期が30年という長期にわたる。
 災害救助法は、このような被害を予想してつくられていない。にもかかわらず災害救助法をもって原発事故避難者への「支援」を行うことによって大きな矛盾を生じさせ、日々、避難者の人権を踏みにじ続けている。今日、「自主避難者」への住宅無償提供うちきりによる事態は、それを浮き彫りにしている。
 地方自治体は、実際に避難者と接し、生活実態や意向を具体的に把握できる立場にあり、その気にさえなれば「被災者に寄り添った支援」を行うことが可能である。
 災害救助法による支援では、原発事故避難者の生活を守ることが不可能であることが明らかとなっている。当会は国に対し新たな災害救助法の確立を求めているが、大阪府においては、原発事故避難者の生活実態に即して、必要な条例・規則の改正または制定を行い、適切な対策をとることを求める。

要望事項
1. 「自主避難者」に対し、2017年3月末をもってする住宅無償支援打ち切りを撤回し、「自主避難者」が自らの意思による自由な選択として、地元への帰還するか避難先で移住するかを判断できる環境を整え、避難者が生活再建の途につくまでの間、住宅の無償支援を続けること。

2. 「自主避難者」に対する強制退去を行わないこと。

3. 原発事故避難者の生活実態に即した条例・規則の改正または制定を行うこと

以上


もちろん賛成して、連名で要請してほしい旨お願いした。

以下は回答文


いつもお世話になります。
趣旨に賛同しますので、よろしくお取りはからいください。

ある労働者の方は、支援が切れることで170万円近くが新たに持ち出しになるとおっしゃっていました。給与で生活している方にとっては負担がきつすぎます。

原発事故が壊したもの、一番大きなものは「家族のつながり」です。子どもが父母のもとで楽しく生活できないことを考えると心が痛みます。そして自然を相手に事業をなさってきた方の「生業(なりわい」です。「除染」するだけでは第1次産業は成り立ちません。そしてこれらが一体化したもの「地域」を潰してしまったことです。地域で放射能のことの心配を訴えると「放射能きちがい」という言葉が返ってくる。それほどいい加減な情報が被災地域では飛び回っているのです。

この6年間、「自死」、「離婚」、「子どもの不登校」、「いじめ」、「閉じこもり」、「非行」、「進学断念」、「転職したがうまくいかない」、などなど相談祈ってきました。テレビで放映されるのはほんのごく一部です。

原発はこりごり」という原発放射能への恐怖感、科学的根拠による「原発反対」から、6年目にしていよいよ各家庭の生活破壊が起きようとしているそれを食い止める「生活に根ざした」「原発反対」の声を大きくしていかなければなりません。

いわば「原発反対」の声がやっと地に着いたものに、誰しもの生活が脅かされる事態に質的に転換期を迎えていると思います。
今こそ東京電力と政府の責任が大きく問われるべきです。

東電は役員の個人資産まですべて吐き出して倒産させ、東電の株券は紙くずに、銀行債務は返済不能欠損の処理をすべきです。
銀行には貸主としての責任があります。原発施策を推してきた人たちがまずその負債を背負うべきです。東芝の倒産も原発推進企業とし
て当たり前のことでしょう。

なのに2011年被災者が途方に暮れているとき、東電は社員にボーナスを出しました。こんな会社は倒産して当然です。

しかし、私たちにも原発を認めてきた責任があるわけですから、国は特別法を作って、生活保護法によらず、国費によってすべての被災者を将来にわたってを救済すべきです。軍事費や思いやり予算アメリカべったりの投資など慎むべきでしよう。なぜなら、今も日本は原子力非常事態宣言下にあるわけですからこれは当然のことです。何にもまして福島原発の「アンダーコントロール」されていない状態を生きている人間の被害から解決すべきだと思います。


                                                和 田 た か お 拝