高槻市議会の会議場に国旗掲揚が決まりました

 3月議会中に国旗を市議会本会議場に掲揚することが決まりました。
遅ればせながらのご報告です。議長席近くにはおかないと言っていたので、たぶん私の横辺りにあるのではないでしょうか。5月の臨時議会でわかります。

 無所属の3人(二木、高木、和田)は連名で議長に質問書を提出、議会運営委員会でも、民主元気ネットの川口、野々上、共産党の中村、宮本、強田議員らとともに反対しましたが、多数で決定されてしまいました。

 もともとこの問題は、議会のあり方検討会で検討されていたもので、意見の一致を見なかったものです。一致できたものから実施、一致できないものはさらに検討するという報告が出ているのに、今回唐突に実施するというもので絶対許されるべきものではありません。

 以下、私の議会運営委員会での反対討論を掲載します。

  議会に日の丸を掲揚する問題について【議会運営委員会での発言】
 
 私は国旗を議場に掲げることについては反対の立場で発言させていただきます。
それは国旗については、党派がどう考えているかの問題を超えて、国論を2分する問題であるからです。私の支持者の中にも国旗を掲揚することに問題はないとする方もいらっしゃいますし、賛成の立場で提案していただている支持者の中にも、議会内に日の丸を掲揚することは相応しくない、絶対にやめてくれと考えていらっしゃる方もいらっしゃる問題なのです。

 「国旗国歌法」が制定された当時の国の説明は「義務付は行わない」「現行の運用と何ら変わることにはならない」というものでした。当時のNHKの世論調査でも、国旗国歌法の制定に賛成の方が50%弱、反対の方も50%弱であった事実を忘れてはなりません。

また、国際化の中で国際状況も無視できません。高槻市はフィリピンマニラ市、中国常州市と友好都市関係を持っていますが、1945年2月から約1ヶ月のフィリピン市街戦で民間人犠牲者10〜12万を出したことを思い出さないわけにはいきません。15年戦争は、朝鮮、中国への侵略から始まり、民衆に多大な被害を与えた事実を忘れたはなりません。
 これらマニラ市、常州市の訪問団が高槻市の議場を視察されてたき、「日の丸」をみてどのようにお考えになるか想像に難くありません。明治初頭に船舶識別の旗印に過ぎなかった「日の丸」は、ある時期から中国、東南アジア侵略の旗印に変質してしまったのです。

高槻市には、タチソ(高槻地下倉庫)もあって平成24年統計書で1416人の朝鮮・韓国籍の方、856人の中国籍の方がいらっしゃり、その約87%は戦争被害国の方で、多文化共生は市の重要施策に位置づけられています。これらの方々の地方での選挙権も最高裁は1995年に違憲ではないと認めているのです。

 意見の違いがあったときは、両者の言い分をお互いに尊重し合う、少数意見も尊重して結論を導き出したいくのが民主主義であり、多数で押し切るのが民主主義とは言えません。これが予算審議など一定の時期までに結論を出さなければ市民生活に影響が出てくるという問題であれば、一定の所で議論を打ち切っての判断も必要でしょう。しかし、国論を2分している「日の丸」掲揚問題について結論を急いで、議論を闘わせる場である議場に掲揚する理由はどこにもない。早期に結論を出すことがかえって害悪を導き出してしまいます。

 縷々述べましたように、いつまでも論議していても平行線で結論は出ないからとこの「日の丸」掲揚問題を決するというのは、大きく国論を2分する一方の主張を抹殺するもので、とうてい受け入れられるものではなく、本件について反対するものです。