沖縄県知事選挙と衆議院解散

沖縄県知事選、10万票の大差、本当によかったと思う。


いのち第一 福祉は権利

原発反対 日本国憲法を守る

格差・貧困・人権侵害を許さない

消費税増税反対 TPP交渉即時中止

辺野古新基地反対 米軍基地撤去

沖縄県民に学び、住民自治の推進で
 地方から安倍暴走政治に終止符を!


 上記が私の統一地方選挙に向けてのスローガンであることはすでに書かせていただいた。

 投票率もまずまず、3ポイント以上の伸び、前回選挙より3万5千以上の方が投票所に行ったことになるからたいしたものだ。

 この沖縄県知事選の前にふってわいたような衆議院解散旋風は何だったのか。翁長氏と仲井眞氏の票差は10万票の大差だから、自民党筋もは敗北がわかっていたと見るべきだ。アメリカも財界もだ。だから衆議院解散になったとも言えるのではないだろうか。沖縄の敗北を帳消しにするために。

 日本という国は誰が支配しているのか。もちろん主権在民強いていえば国民、でも、どうも実態は違うらしい。首相でもない。何故なら、安倍首相は9日から17日まで北京で開かれたアジア太平洋経済協力会議首脳会議、東アジアサミット、G20サミットに出席するため外遊中だったから。安倍首相のいない間に解散がほぼ決まったことが不思議でならない。

 2009年、小沢氏が民主党党首の時、まもなく行われるだろう総選挙が予想された5月に、彼はえん罪で起訴され民主党主を追われた。小沢氏は財界の嫌われ者だった。その6ヶ月後の衆院選民主党は大勝、小沢氏に変わった鳩山氏が首相になった。この時も鳩山氏が辺野古を県外にということにこだわったため、お母さんからの相続税辺野古の問題で首相を菅氏に引き継がざるを得なくなった。

 菅氏は市民運動しか知らない。厚労大臣当時の市民運動の延長線上のエイズ薬害問題では名をはせたが、財務省官僚にレクされて消費税増税とTPP参加を叫ぶに至り参院選に負ける。結果、民主党は政治の主導権がとれず右往左往、やっとのヒットが原発廃止だったが、これもアメリカと財界の意向ですぐクビ、とうとう出てきたのは野田氏という松下政経塾出身の市場原理主義構造改革急進派。こんな男に政治は頼んでないと国民が背を向ける中で、投票率は前回と変わらないのに自民党衆議院選挙で圧倒して政権を奪取した。

 当時少し景気が上向いていたのをいいことに、安倍氏が打ち出したのがアベノミクス。金融の大胆な緩和で起きたミニバブルで株価は値上がり、機動的な財政支出で地方を公共事業で少し潤して参議院選挙にも勝利。ところがところが、消費税増税社会福祉の削減、格差と貧困の拡大で国民生活は危機に瀕することになった。

 悲願の憲法改悪も思うままに進まない。全面改憲派もちろん、9条も96条もだめだと国民は言う。果ては味方のはずの学者や官僚まで・・・。やっとの思いで「集団的自衛権」は解釈改憲したが、これがまた不人気、特定秘密保護法は何とか成立させたが、安全保障基本法制定、国家情報局設置法制定、共謀罪の制定などの国の強権的な施策を進める法の制定は進まない。
 
 原発再稼働も福井地裁で「大飯3,4号機の原子炉を動かしてはならない」との弾劾を受け、川内原発では心配していた火山国日本の御嶽山が警告する事態となった。

 TPPも化けの皮がはがれてきて、農業団体から「公約違反」と訴えられる。

 そこで改造内閣と洒落込んだが、これがまた政治資金問題で真っ黒だらけ、これでは第1次安倍内閣のにの前になると切羽詰まっているところへ沖縄で負けるという情報、アメリカは絶対これを許さない。何しろアメリカでさえ使いたくない普天間を廃止して、陸軍も海軍も空軍も海兵隊も使用できる、そして弾薬庫と軍港と滑走路2本がつく最新鋭の基地が作れなくなっては大変、沖縄県知事選挙をご破算にするには解散して民意を問うしかない。「沖縄差別を知らん顔して選挙で帳消しにする。」このようなアメリカと財界の意志に従うしか、安倍首相自身延命を図れなかったのだろうと思う。

だから、今回の選挙は、①沖縄の敗北を帳消しにする②アベノミクスの失敗が国民世論にならないうちに③原発が再稼働し国民の怒りが沸騰しないうちに④プログラム法案による社会福祉の削減が国民の怒りにならないうちに⑤TPP交渉で政府が日本の農業をはじめとする生産業、医療分野などへの影響がわからないうちに⑥消費税増税がどれほど国民を苦しめるかわからないうちに⑦格差貧困が広がり国民の怒りが頂点にならないうちに⑧東アジアの国からこれ以上忌み嫌われないうちに解散すれば、少なくとも過半数、うまくいけば全委員会の主導権がとれる安定多数は維持できると踏んでの解散だと思う。

 いわば「うちに」という自民党の党利党略の「うちに解散」である。

 残念ながら、自民党は今回も勝つのだろう。公明党という強い支持基盤があるのですから強いはず。あべこべに、公明党は何処まで自民党の支持が得られるかにかかっている。共産党比例区か京都1区で勝負しながらも現状維持で、困難な闘いの中で貴重な前進または踏みとどまったという総括になるのだろうか。民主その他の政党は候補者調整が出来るか、つまるところ野合が出来るかにかかっている。野合が出来れば出来るだけ自民党が減るという具合だが、政権は取れそうにもない。小選挙区制とはそういうものだと思う。いや、選挙結果では、安倍政権への身売りも出てくるかも知れない。

 私自身比例区は何処に入れるか決めている。比例区は政治の選択選挙です。しかし、小選挙区は、いつも通り、よりましな候補者に入れるしか選択はありません。来春の市長選もどうなるのやら。困ったものです。ただ、小選挙区選出の方は、もう少し自分の好きな活動だけするのではなく、地元のことに尽くしてくれとは言いたいですね。