遅ればせながら新年の幕開けをお祝いしたいと思います

 2015年の幕が開けました。今年は戦後70周年の節目の年にあたります。いつまでも戦後であってほしい。戦前への逆戻りはこりごり、そんな想いを込めて新しい年を迎えられた方も多かったのではないでしょうか。

先の総選挙で、私たちは安倍自民党超右翼暴走政権に、単独で憲法改正発議に必要な2/3の勢力を与えませんでした。また、石原慎太郎氏はじめ超右翼思想の持ち主たちを国会から追放しました。

 しかし、安倍自民党超右翼暴走政権は、アメリカ流弱肉強食の新自由主義構造改革の立場、「全ては市場に任せておけばいい」という立場から憲法改悪を企んでいる人たちと手を組んで、日本の軍事大国化を虎視眈々と狙っています。

 小選挙区制の矛盾は極まり、それは、2人に1人が選挙を棄権するという行動に現れました。大阪市内の一部では、投票に行った有権者の6人に1人の方が小選挙区で白票を投じられたとも報じられています。

 これらの事実から、今年の課題は、富田町病院の小西院長(前市議会議員)や私たちが掲げてきた「いのち第一 福祉は権利、原発反対、憲法を守る」というねがい、「1人ひとりのいのちを大事にする政治」を実現することに集約できると言わなければならないでしょう。そしてそのことを、国と直結した政治ではなく、憲法で保障された「地方自治」の中で、高槻市の行政の中で、それをそれぞれの地域の中で実際に実現していくことが求められているのだと思います。

 国会外ではわずかですが有利に闘いを進めている憲法改悪、原発再稼働、消費税増税、大企業減税、福祉削減、働くルールの無視、TPP推進等の問題について、私たちが手を抜かず、油断することなく、ますます運動を強めていかなければなりませんし、国会の暴走に街頭で敢然と立ち向かっていかなければならない差し迫った状況にもあるというのが私たちの国の姿ではないでしょうか。


 今年の福祉の課題はなんと言っても介護保険の大改悪でしょう。「介護保険は詐欺である」という本まで出版されています。
 
 みなさんは、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備に関する法律」という長ったらしい名前の法律をご存じでしょうか。略して「医療介護総合法」とも言われているこの法律は、昨年の6月18日に成立し、今年4月から順次実施される予定になっています。

 中身は、「医療と介護の総合的な確保を推進する」こととはほど遠い、病院のベッド数を削減し、経済的な視点からのみ病院と医師の管理を強化する。介護保険の要支援の方のホームヘルプサービスやデイサービスを最長3年で保険給付外の市町村個々別々の事業にしてしまう。さらに、これまで言っていた「高額所得者」を「一定所得以上者」に改め、自己負担金の2倍化する、さらには特別養護老人ホームへの入所を中重度者に限るなどというとんでもないものです。

 さらに、今年は3年ごとの介護保険計画見直しの年ですから、介護保険料は上がり、高槻市は現在の第5期の黒字分を全て来年度以降の3年間につぎ込んだとして、現在の4,442円を4,572円にするという試算値(確定値ではありません)を出しています。また、平成37年度、つまり「団塊の世代」がすべて75歳以上になる2025年の介護保険料は、6,794円と試算しています。

1999年、富田町病院の小西院長は、ただ1人「介護保険反対、介護は福祉施策として行うべきである」と主張して高槻市議会議員に立候補、みごと第2位で当選しました。小西院長が主張した通り、介護保険で「介護の社会化」ははかれず、ホテルコストの導入、介護予防事業の創設など2度の大きな改悪を経て、「介護問題の社会問題化」が介護保険制度によってもたらされることになりました。そこに2015年4月から始まるなが3つめの詐欺的、あるいは契約違反的とも言っていい制度改悪が、今回の要支援の方の保険給付外しをはじめとした医療制度も含む大改悪なのです。

介護保険は40歳以上の方は全て強制加入、65歳以上になると健康保険で行われていた1/2の事業者負担分がなくなることや、介護保険の保険料の段階区分が12段階と健康保険の47段階に比べて荒いことから保険負担が跳ね上がり、月額15,000円以上の年金のある方は全て生活の糧である年金から天引きされてしまいます。そして、健康保険は使わない方が稀であるのに対し、介護保険は80%以上の方が一生涯利用されないという事実もあります。

 私は小西院長の主張を受け継ぎ、高槻市議会でただ1人「介護保険反対、介護は福祉施策としてやるべきである」と、介護保険の問題で2度にわたって現行の介護保険制度の矛盾と法の目的さえも逸脱した高槻市の不当な扱いに抗議してきました。

 これからも、毎年毎年社会保障はその手順を定めた「プログラム法」に基づいて削減されていきます。来年度予算では年金は6月支給分から1%上がりますが、この介護保険の値上げと諸物価の値上がりで実質的には今年も削減されるのと同じ状態が続きます。

 いつまでも黙ってはおれません。これからは憲法に保障された「地方自治」の時代です。高槻市から保険制度ではない、「満足できる高齢者福祉」のひとつとしての「介護」を皆さんとご一緒に作り上げていきましょう。

 今年は統一地方選挙の年、私は2期目めざして高槻市議選に挑戦します。
 あなたとご一緒に、この高槻の地から、「1人ひとりのいのちを大事にする政治」を実現していきましょう。今年もどうぞよろしくご指導ご鞭撻ください。